「孤独について」を読んだ。

筆者のこれまでの人生を振り返った本。個人的には道徳の教科書にしても良い位だ。

マイナスのナルシスとは自分が嫌いであるがゆえに好きであるという構造がくっきりと浮かび上がった人のことである。彼(女)は、自分の「生きにくさ」の原因を探ろうと渾身の力を振り絞る。幸福になるためでもない。そんなことは、自分が自分である限りありえないことなのだから。そうではないのだ。不幸を確認するためなのだ。自分の「醜さ」を水面に映して隅々まで点検し認識するためなのだ。なぜか?それが「私」だからである。

深いなあ。所謂真っ当な人間、好人物とされるタイプの人には、理解できないだろうなあ。だからこそ、そういう人に読んでもらいたい。

生きるのが困難な人々へ 孤独について (文春新書)

生きるのが困難な人々へ 孤独について (文春新書)