『自殺自由法』を読みました。

日本国民は満十五歳以上になれば何人も自由意志によって、国が定めたところの施設に於いて適切な方法により自殺することが許される。但し、服役者、裁判継続中の者、判断能力の無い者は除外される。

という法律ができた世界のお話。様々な人(大体ロクデナシ)が死んでいく話がオムニバス形式で語られる。
この世界では自殺は自逝と呼ばれ、選択の一つとして積極的に薦められる。自逝は専用の施設(センターと呼ばれている)で行われ、苦痛の無い最期を迎えられる。(と言われているが、徹底した情報統制によってどのような処理を行っているかは隠蔽されており、探ろうとすると死ぬ。)

親が子供のことを将来を心配して「お前、センター行かないか?」とか言ってくる。こんな世界なので、人の命は吹けば飛ぶように軽く些細なことで死にまくる。意味も無く死にまくる。

クレイジーです。だからこそ精神的に病み気味の時にオススメです。死生観について考えさせられるような話ではなく、馬鹿話に片足突っ込んでると思う。

以下ネタバレ
十数年後、自殺自由法は廃止される。センターは観光施設になっているが、当時どのようなことがなされていたかは不明。誰がどういう意図でこんな法律を作ったかも不明。何で法律が廃止されたかについても「飽きたんじゃねーの?」というすごい投げっぱなしなオチなんだが、それも不気味さを際立たせていると思う。

関係ないが、夜中3時にこんな感想文書いてるのは、あまり健全ではないと思うがどうだろうか?

自殺自由法 (中公文庫)

自殺自由法 (中公文庫)