『私の嫌いな10の言葉』を読みました。
最近のお気に入りである中島義道の本。題にある10の言葉とは、
- 相手の気持ちも考えろよ。
- 一人で生きているんじゃないんだからな。
- お前の為を思って言っているんだからな。
- 素直になれよ。
- 相手に一度頭を下げれば済むじゃないか。
- 謝れよ
- 弁解するな。
- 胸に手をあててよく考えてみろ。
- 皆がやな気分になるじゃないか。
- 自分の好きなことが必ずあるはずだ。
である。これらは真っ当かつ、善良な人たちが度々使う言葉だ。本書はこれらの言葉に潜む臭気について書かれている。
以下、感想。
臭気の原因について色々書かれていたが、それらは以下の3点に根源があるように感じた。
- 『真っ当かつ善良な多数派の人間には、独特の感性を持つ少数派の考えは絶対に理解できない。』ということを、多数派が知らない、または考えないこと。
- 『多数派の感受性に対する疑問は論じてはならない。』という圧力。
- 多数派の人間の自己批判能力の無さ。
(例えば『素直になれよ』は、少数派の感受性の存在そのものを無視しているし、『弁解するな』は、俺たちに合わせろ、反論は認めないという考え方からきている。)
本書では、もっとちゃんと書かれてますので、真っ当な方は是非読んでみてください。特に常日頃、正論や良識的なことばかり言っている人に読んでもらいたい。
- 作者: 中島義道
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/02/28
- メディア: 文庫
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